皆さんは「SAPPOROぶらり手帖」をご存じでしょうか?
札幌市内の観光関連事業に従事するメンバーが「サッポロコンシェルジュ」として作り上げた冊子&ウェブサイトで、札幌の新たな魅力が楽しめる一冊となっています。
冊子は市内の観光案内所やホテルなどで配布されていますよ!
先日、NHK「ブラタモリ」札幌編にも登場した街歩き研究家の和田哲さんをガイドに、SAPPOROぶらり手帳を活用したまち歩きツアーが開催されたのでその様子をレポート。
創生川イースト界隈や札幌の、知られざる歴史やこぼれ話がたっぷりの一日でしたよ!
創成橋を集合場所に、創成川イーストを巡ります!
集合場所となったのは創成橋で、この日はサッポロコンシェルジュのほか、授業の一環として札幌国際大学の学生も参加。およそ50人ほどが集まりました。
和田さんの挨拶のあと、早速創成川と札幌の歴史からガイドが始まります。
そして、集合場所が創成橋だったのにも理由がありました。
札幌のはじまりはどこから?ここからなんです!
「札幌の街はどの場所から始まったのか。それはここからなんです」と和田さん。
創成橋に銅像が残る大友亀太郎は江戸幕府の役人で、北海道(当時は蝦夷地)開拓の命を受け現在の木古内町や七飯町を開拓。その後、札幌に渡ります。
慶応2(1866)年、最初に手掛けたのが創成川(当時の呼び名は大友掘)とその東側の道路、つまりこの付近一帯だったのです。
ですので、札幌中心部の東西南北の区画割も、創成橋が起点となっています。
また、「橋の入口と出口はどうやって見分けるか知っていますか?」と尋ねられました。
名前が漢字で書いてある方が入口で、ひらがなで書いてある方が出口なのだそう。
まず、橋に入口と出口があるのすら知りませんでした…。
誰かに教えたらきっと感心される知識が満載です!
街歩きの途中には、中央バス札幌ターミナルについても触れてくださいました。「ここの地下食堂はレトロ感たっぷりでオススメですよ!」と嬉しいコメント。
\地下食堂街は下記の記事で紹介しています!/
大通公園の東に建つ「中央バス札幌ターミナル」は、1966(昭和41)年にできた歴史ある建物。日々さまざまな路線のバスが行き交い、多くの市民や観光客が利用しています。 その地下に昭和レトロ感たっぷりの食堂街[…]
ほかにも、札幌は扇状地で微妙に傾斜しており、1条でおよそ1m高さが変わること、その分かりやすい例がJR札幌駅北口の段差であることなど、さまざまな札幌の秘密を教えてくれました。
現在工事中のJR札幌駅。バス停留所から撮影したのですが、高さ2mほどのスロープがあり高さが変わっているのが分かります。
札幌は「レンガの街」だった!
また、創成川イーストは工業地帯でレンガの生産が盛んでした。
そしてそのレンガの材料となる土を掘っていたのは、現在のJR札幌駅付近だったのだそう。
「今でこそレンガといえば江別ですが、札幌こそレンガの街だったんですよ」と和田さん。
その名残を示す建物が創成川イーストにはいくつかあります。
その代表格が「サッポロファクトリー」です。
1993年に開業した商業施設で、サッポロビールの工場だったレンガ建築を利用しています。
また、創成川イーストエリアの再開発の先駆け的存在でもあります。
サッポロファクトリーにある煙突をバックに、和田さんと記念撮影。ここで一旦休憩を挟みます。
この日はとても暑く、少し歩くだけでも汗が出て出て大変でした…!
サッポロファクトリーの中を通り、札幌市中央体育館「北ガスアリーナ札幌46」とを繋ぐ空中回廊を渡ります。
彼方には小さく、工事中の「北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)」の姿が見えます。
ちなみに赤れんが庁舎は2024年5月上旬まで、仮設見学施設が公開中ですよ!
札幌市民はもちろん、観光スポットとしても全国的に有名な北海道庁旧本庁舎。「赤れんが庁舎」の名前で親しまれていますが、老朽化にともなう改修工事のため2019年から休館しています。 そんな中、工事の様子や歴史などが分かる[…]
アメリカンスタイルの洋菓子屋さんが今日のゴール
ツアーの最後はサッポロファクトリーの北側向かいにある「岩佐ビル」と、その一階にある欧米焼き菓子とケーキの店「スイートレディージェーン」へ。
岩佐ビルは元ラムネ工場だったビルで、天井まで約4mと通常のビルよりずっと高いのが特徴。
スイートレディージェーンはその特徴をいかしたオールドアメリカンなデザインのお店で、隅々までとっても素敵な雰囲気!そして最後にサプライズが。
オーナーシェフの馬越弘幸さんは、「東洋のビール王」と呼ばれた馬越恭平氏のひ孫さん。
馬越恭平氏は日本麦酒、朝日麦酒、札幌麦酒を合併した「大日本麦酒」の創設者(戦後、財閥解体を受けアサヒビールとサッポロビールに分割)。
つまり、サッポロビールの前身を作った方の子孫です!
ちなみに、この場所にお店を構えたのはまったくの偶然だったそう。素敵な縁ですね~。
アメリカで洋菓子の腕を磨いた馬越さん。アメリカのレシピにこだわり、かつ素材は北海道産のものを使う。これがお店のコンセプトのひとつです。
クッキーやスコーン、ケーキなど道産素材で仕上げたアメリカンスタイルのスイーツをぜひ味わってみて♪
最後にもう一度「SAPPOROぶらり手帳」をご紹介!
「SAPPOROぶらり手帳」は今回の創成川イースト界隈のほか、狸小路界隈やすすきの界隈、大通ウェスト界隈など市内中心部7地域の街歩きルートをまとめています。
定番のスポットから穴場まで、約200ヶ所を紹介しているのでぜひぜひご覧ください!
※当記事の内容は2023年7月24日時点の情報です。