JR小樽駅から徒歩すぐの「小樽都通り商店街」は100年以上の歴史を持つ商店街。
アーケードがある商店街としては、札幌の狸小路商店街に次いで北海道で2番目に古いそう!
その中には古くからある衣料品店や飲食店などが連なり、観光客が立ち寄っても楽しいレトロな風情が漂っています。
そんな小樽駅そばの商店街の歴史やオススメのお店をご紹介していきます!
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アーケード内に新旧さまざまなお店がずらり
小樽都通り商店街は北海道では珍しい、アーケードのある商店街。
JR小樽駅から徒歩2分ほどの場所にあり、約300mにわたっておよそ60軒のお店が連なります。
中を歩いてみると、古くから続く喫茶店やファッション店、鮮魚店や雑貨店のほかアニメショップもあるなどバラエティ豊か。
レトロな雰囲気を残しながらも、多彩な顔触れが並びます!
また、幕末・明治期に活躍した政治家の榎本武揚の垂れ幕や縁起をかついだ「あやかり石像」があるなど武揚推しなスポットでもあります。
なんで榎本武揚なんだろう?と思っていたのですが、商店街理事長の鈴木さんにインタビューをしたことで疑問が解決。そのほかにも意外な歴史や裏話が満載でした!
はじまりは一軒の映画館から
自身も都通りで「ZIPスズキ」を営む商店街理事長の鈴木創さん。各種資料をまじえて、成り立ちや歴史を教えてくれました。
「小樽都通りは明治時代、電気館通りと呼ばれていました。これは通称で、1895(明治28)年に開業した電気館という映画館にちなんだものです」。
当時、映画館といえば娯楽の王様。周囲には人が集まり、自然とお店も建ち始めます。
さらに1904年にJR小樽駅ができると通りはますます活気づき、町内会も1921(大正10)年に設立。この年を商店街のはじまりと定めています。
「ちなみに、この電気館の建物はうちから少し歩いたところにある手芸のぎんざさんが改装して今も使っていますよ」と驚きの一言が。
伺ってみると、たしかに入口の右手側に「電気館ビル」と書かれているではありませんか!
また、お店の中には幅が広く湾曲した階段があり、これも映画館の名残なのだそう。
手芸のぎんざの前はよく通るのですが、そんな歴史があったなんて…
何気ない場所にも、知らないことがいっぱいです。
アーケードが完成して今に至り、これからも。
時代は昭和に移り1931(昭和6)年、通りに正式な名称をつけようと懸賞付きでアンケートを実施。
数多ある案の中から「都通り商店街」という名前が選ばれました。
その後、1966年にアーケードが完成。現在のアーケードは2002(平成14)年にリニューアルしたもので、2013年にも屋根部分が張り替えられています。
都通りの地図を見ると服飾や装飾など、ファッションのお店が多いことに気づきます。
そのことを鈴木さんに伺うと「昔の小樽がファッションなど文化の発信地だったからです。そして私も含め2代・3代と続いているお店が多いためですね」とのこと。
各地から物資の集まる港と、それを輸送する鉄道があった明治~大正期の小樽は、まさに北海道の中心。
往時の発展ぶりは銀行建築群のある「北のウォール街」などにも名残りを見せています。
時代の移り変わりはあるものの、人々に支えられ100年以上の歴史を歩んできた商店街。
「もちろん最近は外国人の方も多く、うちの店でも結構服を買っていかれるんですよ。地元の方、札幌など近郊の方、そして観光の方、皆が満足できる商店街であり続けられれば、と思っています」
ちなみに、なんで榎本武揚?
また、気になっていた榎本武揚推しについて伺うと「都通りの一帯は榎本武揚が小樽の土地開発を進めるために興した会社・北辰社が持っていた土地なんです」と鈴木さん。し、知らなかった…
「彼は蝦夷共和国を樹立して明治政府に反逆したのに、わずか3年で釈放され、その後外務大臣なども務めたユニークな人物。また、困窮した武士に土地を売ったりと情に厚く人間的にも面白い方です。幕臣から明治政府に転向したこともあり、あまりスポットが当たる人ではないのですが、その功績を知らせようと垂れ幕などを設置しています」
小樽の都市開発のほかにも「竜宮神社の建立」「手宮洞窟の古代陰刻の調査」「小樽商科大学の設立に出資」など文化的な面でも功績があるそう。まさに開拓期の偉人!
余談ですが…伝説のサイト「ポップの世紀」について
ちなみに、鈴木さんはインターネット黎明期から「ポップの世紀」というサイトを運営していた、知る人ぞ知る通人。
音楽に映画、文学、さらにはファッションやスポーツ、科学や哲学に至るまで20世紀のポップカルチャーを網羅したウェブサイトで、現在はインターネット・アーカイブで閲覧が可能です。
アルバムへの文章を依頼されたことも
店内2階には映画監督やミュージシャンのサインなどが飾られるほか、映画のパンフレットやレコードなど鈴木さんのコレクションも一部展示しています。
実は私も学生の頃からポップの世紀の読者。
今回の取材で初めて鈴木さんにお会いし、音楽や映画についても話しこんでしまったのですが、ジャンルを問わない膨大な知識量に圧倒されるばかり。
音楽や映画が好きなら「ZIPスズキ」に立ち寄ってみて!
スポット概要
名前 | 小樽都通り商店街 |
住所 | 小樽市稲穂2丁目 |
電話番号 | 0134-32-6372(小樽都通り商店街振興組合) |
営業時間・休み | 店舗により異なる(通行は自由) |
HP | https://www.otaru-miyakodori.com/ |
バス停 | 「小樽駅前」から徒歩2分 |
行き方 | 【札幌駅から】「札幌駅前」から高速おたる号(のりば①)ほか ※高速おたる号望洋台経由は小樽駅前で停車しないため注意を ※バス停名からのりば地図が見られます |
お店をかいつまんでご紹介♪
さまざまな顔触れがならぶ商店街、その中から一部をご紹介。
もちろん、下記のお店以外にも名店揃いなので、ぜひ一度アーケードを歩いてみてくださいね!
岩永時計店
1896(明治29)年創業と、120年以上の長い歴史をもつ老舗時計店。
「北海道で営業してるお店では、1番古い時計店になりました」とは5代目社長の岩永尚己さん。
近年はスマートフォンなどで時間が確認でき、腕時計をつける人も減ってきています。
それでも取材中には近所の方が電池交換に訪れるなど、「ここに預ければ安心」とまちの人々に信頼されている様子が伺えました。
\詳細は下記の記事にて!/
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SUSHI BAR
2023年12月にオープンした新店で、上記の岩永時計店のすぐお隣。
名前の通りお寿司とお酒が楽しめるカジュアルな一軒で、小樽ではちょっと珍しいスタイルかも。
お寿司は1カン150円~とリーズナブル。
そしてネタは小樽ならではのニシンや長崎・対馬から仕入れる生の本マグロなど厳選!
札幌の寿司店で10年以上の修業を積んだ本格派の握りが気軽に楽しめます。
\詳細は下記の記事にて!/
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中華食堂 桂苑
1964(昭和39)年創業の中華料理店が「中華食堂 桂園」。
開店前から行列ができる人気店で、じっと並んでも食べたい名物があるんです。
それが小樽市民のソウルフードでもあるあんかけ焼そば。
香ばしく焼きあがった麺と、具材のうま味が溶け込んだ餡…行列にも納得の味わいです!
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アイスクリームパーラー美園
1919(大正8)年創業と、このお店も100年以上続く老舗。
そして、北海道で初めてアイスクリームを製造・販売したお店でもあります。
こだわりの道産素材を使うアイスは、大正ロマンを感じるとともに今なおフレッシュなおいしさ。
かつての小樽の様子に思いをはせながら、味わってみてはいかがでしょう?
\詳細は下記の記事にて!/
牧歌的な景色を眺めながら味わう、すっきりとした夏のソフトクリーム。あるいは、ストーブのついた暖かい部屋で食べる冬のアイスクリーム…牛乳の生産量日本一である北海道とアイスは、切っても切り離せない関係です。その北海道で初めてア[…]
大八栗原蒲鉾店 小樽都通店
1914(大正3)年に創業した、小樽っ子から末永い支持を受けるカマボコ店「大八栗原蒲鉾店」。
その支店として2023年9月にオープンしたのが「小樽都通店」です!
店内には工場から直送された18種類前後の揚げたてカマボコがずらり。
1つ30円~というリーズナブルな価格も魅力的で、ついつい色々な種類を買ってしまいます!
\詳細は下記の記事にて!/
JR南小樽駅近く、入船十字街にある「大八栗原蒲鉾店(だいはちくりはらかまぼこてん)」は1914(大正3)年創業の老舗。スケトウダラやソウハチガレイを原料に、つなぎのデンプンや保存料を使わず石臼で練り上げる、昔ながらの製法にこだ[…]
あまとう 本店
市民から「あまとうさん」と呼ばれ親しまれている洋菓子店「あまとう 本店」。
小樽銘菓・まろんころんなどのスイーツで知られるほか、2階の喫茶室は昭和レトロな風情たっぷり!
そんな喫茶室の看板メニューが「クリームぜんざい(つぶあん、Mサイズ)」。
とってもなめらか&すっきりなソフトクリームと下に隠れたあずきと求肥が相性抜群で、お互いの味わいを引き立て合います。
\詳細は下記の記事にて!/
小樽の人々に「あまとうさん」と呼ばれ親しまれているお店があります。店内には銘菓・マロンコロンを筆頭に、ケーキにアイスなど長年愛されるスイーツがずらり。また、ぜんざいやあんみつが味わえる昭和レトロな喫茶室は写真映え間違いなしです[…]
※当記事の内容は、2024年5月7日時点の情報です。