前回の記事で石狩の歴史と自然を学びましたが、なんとまだバス停から1kmも歩いていません。
\前編はこちら/
「石狩市本町地区」という地名を言われて、パっと「あそこだ!」と思い浮かぶ方はなかなか居ないかと思います。ただ「あそびーち石狩」や「番屋の湯」があるあたりだよ、と言われるとほとんどの方がわかるハズ。実はこのエリアこそが石狩の発祥の地[…]
石狩本町エリアまち歩きは、ここからが本番!
後編では道央随一の歴史を誇る神社や映画のロケ地としても有名な北海道最古の灯台、抜群のロケーションの展望カフェなどを巡ります!
本町地区の歴史を知るなら「弁天歴史公園」へ
「弁天歴史公園」は2000年に旧石狩医院跡につくられた、本町地区を中心とした周辺の歴史を知ることができる公園。
園内とその周辺には管理棟を兼務する「運上屋棟」ほか、さまざまな見どころがあります。
展示施設と公園や周辺のガイドを兼ねた「運上屋棟」
運上屋とは蝦夷地においてアイヌ民族との交易や漁業の拠点、地域の行政などを行った施設。
その造りをイメージ・再現しており、展示ホールや休憩所も設けています。
展示ホールでは漁業や交易の拠点として栄えた周辺の情報をパネルや当時使われていた道具、ジオラマなどで紹介。
また、土・日曜、祝日の10:00~16:00には無料観光ガイドも開催しており、周辺の説明を受けることができます(運上屋棟営業期間の4月29日~11月3日のみ)。
道央圏最古の神社「石狩弁天社」は必見!
公園の隣にある「石狩弁天社」は、なかなか知られていないと思いますが道央エリアで最も古い神社。
では、創立はいつなのかというと1694(元禄7)年!北海道が開拓される前からあり、なんと300年以上の歴史をもちます!
内部は通常非公開ですが、運上屋の管理棟に申し込めば無料で見学が可能です。
予約なども不要なので気軽にお声がけしてみてください!
中には文化庁の日本遺産に認定された狛犬や北海道で一番大きいとされる鰐口(ドラのような仏具の一種)など貴重な品々がたくさん!
往時の石狩はここを拠点に全国と交易を行っていたため、道内外のさまざまな奉納物が納められています。
お祀りしているのは水の神様である厳島大明神のほか、稲荷大明神や恵比寿様などさまざま。
「色々な場所の漁師さん達が豊漁や海の安全を願ったので、多彩な神様がいらっしゃるんでしょうね」とのこと。
また、ここでお祀りしている神様の中でも特徴的なのが妙亀・法鮫大明神で、右が妙亀様、左が法鮫様。
法鮫様は石狩川の主とされたチョウザメを神格化したもので、アイヌの人々の伝承に基づいてると考えられているそう。
一方で妙亀様は仏教に由来すると考えられており、アイヌ民族と和人の信仰が同時に反映された石狩独特の例と言えます!
とってもモダンな書院造りの和室「楽山居」
石狩医院の院長だった鈴木信三氏は、俳句結社「尚古社」で中心的な役割を務めた人物。
この「楽山居」はその句会などが行われた和室を移設し復元したもの。
モダンな造りの公園部分と純和風の建物が調和しています。
ちなみに1時間400円で貸し出しており、今でも句会が行われるほかコスプレの撮影スポットとしても有名なのだそう!
そのほか園内には石狩の年表が書かれた「先人たちの碑」があるほか、その周辺にも観音像が立ち並ぶ「西国三十三箇所霊場」や「石狩八幡神社」など江戸時代からの歴史をもつ寺社仏閣がたくさん。
まるでタイムスリップしたかのような気分が味わえる一帯です。
スポット概要
名前 | 弁天歴史公園 |
住所 | 石狩市弁天町38 |
電話番号 | 0133-62-4611(石狩観光協会) |
営業時間 | 9:00~17:00(運上屋棟、公園は自由) |
休み | 無休(運上屋棟は11月4日~4月28日まで冬期休業) |
HP | https://www.city.ishikari.hokkaido.jp/site/sightseeing-guide/1694.html |
広大な自然公園「はまなすの丘公園」と赤と白のツートンカラーがかわいらしい「石狩灯台」へ
石狩川の流れが日本海に注ぎ込む河口に広がる自然公園が「はまなすの丘公園」。
約46haという広大な園内には草原と砂丘が広がり、名前の通り6月中旬~7月上旬ごろには石狩市の市花・ハマナスが咲き誇ります。
ほかにもハマヒルガオやハマエンドウ、エゾスカシユリといった海浜植物が生育し、その数およそ180種!
全長2kmほどの遊歩道も整備されており、遮るものがない北海道らしい眺めが広がっています。
野鳥の観察スポットとしても有名で、伺った日も長~いレンズをつけたカメラでシャッターチャンスを待つ人をちらほらと見かけました。
また、遊歩道の入口横にそびえる「石狩灯台」は現存するものでは北海道最古の灯台。
こちらの灯台は1892(明治25)年に初代が建てられ、現在のものは1908年に建て替えられた2代目です。
1957年のカラー映画「喜びも悲しみも幾年月」のロケ地にもなっており、この赤と白の色彩は、当時珍しかったカラー画面でより映えるようにと塗り替えられたのだそう。
内部は普段公開していないのですが、ハマナスが見ごろとなる6月に行われる「いしかり本町 灯台とハマナスDAY」などで内部を見学することができますよ!
「はまなすの丘公園 ヴィジターセンター」で休憩を
はまなすの丘公園のすぐ目の前には売店や展望施設を備えるヴィジターセンターがあります。
1階の売店では石狩の特産品やポストカードなどのほか、ピラフといった軽食類も販売。2階は展望施設と展示施設となっています。
館内では初代石狩灯台で使われていたと考えられている無等不動レンズ(右)と、現在の石狩灯台の建設当初から1965年まで使われた6等閃光レンズも展示。
どちらも明治時代に作られた貴重な品です!
また、ぜひ食べたい名物がハマナスの甘酸っぱい香りが楽しめる「ソフトクリーム(ハマナス味)」350円。
ハマナスは海辺のバラという異名をもち、かぐわしい香りはソフトクリームの甘みと好相性!
草原や石狩川、遠くにそびえる山々や灯台を眺めながら味わってみて!
スポット概要
名前 | はまなすの丘公園 |
住所 | 石狩市浜町29-1 |
電話番号 | 0133-62-3450 |
料金 | 無料 |
営業時間 | 見学自由(ヴィジターセンターは9:00~18:00、9月1日~11月3日は~17:00) |
休み | 無休(ヴィジターセンターは11月4日~4月28日は冬期休業) |
石狩の自然を堪能できる展望カフェ「マウニの丘」
はまなすの丘公園から石狩温泉方面へ10分ほど歩くと、ぽつんと建つ「マウニの丘」が目に入ります。
ここは見晴らしのいい丘の上のカフェで、石狩の海を望む抜群の眺望が自慢。
そのロケーションは映画「探偵はBARにいる」や「星守る犬」の撮影場所にもなっています。
店内は50席ほどあり席のタイプもさまざま。
開放的で広々としたホールのほか、隠れ家のようなこじんまりとしたスペースも。
そして、どの席からもそれぞれに異なる景色を楽しむことができますよ!
海風を感じられるテラス席もあり、すぐ目の前に石狩浜が広がります。
こちらはペットの同伴もOKなので、ワンちゃんと一緒に景色を眺めながら食事やドリンクを楽しむことができちゃいます!
鶏肉がごろりと入った「マウニカレー」1,200円は、ベースにトマトやタマネギなど野菜をふんだんに使ったヘルシーなカレー。
香辛料にはインドから輸入したホールスパイスを調合、カシューナッツを使うことでまろやかで優しい味わいに仕上げています。
「フランボワーズショコラ」450円は、石狩在住のカカオ鑑定士(名前などは非公表!)の方に作って頂いてるというもの。
甘酸っぱいベリーが散りばめられた層やムース、ガトーショコラなど4層になっており、それぞれに異なる食感や風味がお互いの味わいを引き立て合います。
なお、「アイスコーヒー」580円はフードと一緒に注文すれば100円引きとなりますよ♪
ちなみに、この建物はもともとは石狩鍋のお店だったものを改装したもの。
その造りをいかし、1階は宿泊施設「MAUNI GARDEN GUEST HOUSE」として運営しています。
オーナーの中澤さんが集めたという家具やアンティークが彩る和洋折衷の空間で、中に入れば「石狩にこんな場所があるなんて!」と驚くはずです!
また、敷地内には絵画の展示などを行うイベントスペースも。
こちらは漁師さんが使っていた蔵をリノベーションしており、梁などにその面影が残ります。
素晴らしい眺めのカフェはもちろん、ゲストハウスやイベントスペースもこだわりが光り雰囲気抜群。
なんだか不思議な世界に迷い込んだ気持ちになりました。
スポット概要
名前 | マウニの丘 |
住所 | 石狩市弁天町番外地 |
電話番号 | 0133-62-3955 |
営業時間 | 11:00~17:00(16:30LO) |
休み | 月・火・木曜(11月中旬~4月上旬は冬期休業) |
HP | なし |
「石狩天然温泉 番屋の湯」で太古の湯・化石海水を堪能
石狩の海を望む温泉施設「石狩天然温泉 番屋の湯」。
その名前の通り、漁師の人々が寝泊まりした番屋を模した外観が特徴です。
こちらも、「あそびーち」に行った帰りなどに利用したことがある方は多いのでは?
温泉は「化石海水」という地層深くの隙間に閉じ込められた太古の海水で、加温をしてかけ流し。
茶褐色をした少ししょっぱいナトリウム塩化物強塩泉で、湯冷めしづらく美肌などさまざまな効能が期待できます!
そのお湯の心地、どれだけ良い気分なのかというと…
館内の中庭でカピバラが気持ちよさそうに浸かっているではありませんか!
こちらは看板カピバラの湯姫(ゆき)ちゃん。10分ほど眺めていましたが、このままの姿で微動だにせず温泉を堪能していました!
また、併設のお食事処「はまなす亭」は食事のみの利用も可能。
ランチは海鮮丼など30種類の料理が楽しめるバイキング(11:30~15:00、70分食べ放題で大人1,500円、子供1,000円)。
ディナー(17:00~20:00)ではとんかつ御膳やカレー、ラーメンなどの一品料理が味わえます。
休憩スペースも充実でグループでくつろげる畳の間や、2階には椅子に座ってテレビや海原が見られるリクライニングコーナーも。
お風呂上りにゆったりと過ごすには最適です!
バス停「石狩温泉」へは徒歩約3分。
本町エリアを楽しんだ最後に温泉に浸かればスッキリと帰れますよ!
スポット概要
名前 | 石狩天然温泉 番屋の湯 |
住所 | 石狩市弁天町51-2 |
電話番号 | 0133-62-5000 |
料金 | 大人(中学生以上)750円、小学生以下350円、3歳以下無料、65歳以上700円 |
営業時間 | 10:00~24:00(はまなす亭はランチ11:30~15:00、ディナー17:00~20:00。各LO30分前) |
休み | 無休(年に数回メンテナンス休館の場合あり。また2023年12月~2024年2月は基本金~日曜のみ営業) |
HP | https://banya-no-yu.com/ |
※当記事の内容は2023年10月23日時点の情報です。