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「まき太郎」ができるまでに密着!復刻連載「代燃車物語 よみがえる薪バス」part3

前回まで、札幌工場でのボディー製作などに焦点を当ててきた「まき太郎」製作記。
空知工場では並行して動力となるカマ部分を製作。今回はその工程に焦点を当てていきます!

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ラジエーターグリルの形が決まる

札幌日野自動車から提供のあった昭和40年代のものと思われるラジエーターグリル(正面のカバー部分)に改良を重ね、マキバス用ボンネットを製作しましたが「どうもしっくりいかない」と、再度ゴールデンウィーク明けに作り直しました
ラジエーターグリルでバスのイメージが大きく変わってしまうだけに、最も重要な部分。職長は「休み中も気になって気になって」とゴールデンウィークどころではなかったようです。

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フェンダーの形は「滝川しぶき祭り」の山車製作をヒントに

フェンダー(泥よけ)製作は、空知工場で「滝川しぶき祭り(2014年まで開催)」の山車を針金で整形しているのを思い出し、これと同じように、まず針金で形を組んでいきました
それに合わせて鉄板を裁断し、ガス溶接機で継ぎ合わせ、アール(曲面)部を板金整形しました。

エンジンの切り替え方法が決まる

ガソリン用キャブレターの下にマキガス用の混合機を取り付け、その下がエンジン部分になります。
ガソリンとマキガスを切り替えるバルブの開閉はワイヤで行います。
ガソリンからマキガスにする時は燃料ポンプを止めますが、電磁式にして運転席でスイッチを操作するだけで、ポンプのガソリン吸入が止められる仕組み。混合機は旋盤加工しますので外注で製作しています。

カマは空知工場で奮戦

直径45cm、高さ1.5mのガス発生炉(カマ)、分離器、冷却器、清浄器からなるガス発生装置の製作を担当しているのが空知工場。ゴールデンウィーク明けから作業に取りかかりました。
カマの中はマキを入れる部分、マキが燃えるところ、手動送風器で空気を送り込む管、ロストル(薪を置く網)などからなっています。
マキを燃やす部分は鉄板では高熱に耐えられないので厚さ3mmのステンレスに。材質が硬いため曲げるのにたいへんな苦労をしました。

送風器は昔の農薬散布機

空知工場ではカマに空気を送る手動送風器をどのように作るか思案していました。
そこで主任が昔、農薬散布機が手回しだったことを思い出して数軒の農家に問い合わせたところ、整備員の実家で「思い出に取っておいてある」という情報が。お願いし、提供していただきました。
そのままでは農薬を入れる箱が付いているため、取り除いて改造します。

マキは調達し乾燥中

また、芦別営業所の乗務員が暖房にマキをたいていることを聞き付け問い合わせたところ、親戚が製材所に勤めているということで、そこから分けてもらうことになりました
カマに入れるマキは硬く、長持ちする木でなければなりません。
小型トラックいっぱいに積んだイタヤの木はずっしり重く、ガッシリしています。
トントントンと工場内に響き渡る薪割り作業は、“昔取ったきねづか”。工場長が張り切って作業にあたっています。

カマを積んで札幌工場へ。完成前の現物合わせ

空知工場長ら3名が5月30日、8割がた出来上がったカマを持ち、完成前の現物合わせに札幌工場へ出向きました。洋服でいうと“仮縫い”にあたります。
まず、大きさと取り付け位置を確認。リヤウインドーにかからないか何度も採寸します。
カマを取り付ける台も空知工場で製作することになり、念入りにフレームのサイズを測りました。
カマについてはほとんど問題なくクリア。6月中旬には試験的にマキを燃やしてみる予定。
マキバス復元作業は札幌・空知の両工場で着々と進んでいます


kato

最後の画像はカマのしくみを図解したもの。
なるほど、これがマキバスですか」の書き文字とイラストがユーモラスに、かつ分かりやすく仕組みを教えてくれます。
これにてマキバスの象徴であるカマがほぼ完成。次回はカマの火入れ式です!

※当記事の内容は2024年1月18日時点の情報です。

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