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「まき太郎」ができるまでに密着!復刻連載「代燃車物語 よみがえる薪バス」part4

代燃車の復元準備委員会が発足したのが、1992年2月10日のこと。
それから4か月。整備部の苦労が実を結び、マキバスの命とも言えるカマが完成!
役員や工場長らが出席して「火入れ式」も行い、発車準備を着々と進めます!

\前回はこちら/

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空知工場でカマの「火入れ式」

ゴールデンウィーク明けから空知工場で作業に取りかかったガス発生炉(カマ)は6月18日に完成、翌19日に関係者が出席し「火入れ式」が空知工場で行われました。
当日はTVH(テレビ北海道)の取材班も番組制作のため駆け付けました。
そして午後2時30分、20リットルのオイルと5センチ角に細かく切ったマキを4杯カマに投入し、火入れの開始です。

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ガスの具合にハラハラ

マキは火を付けてから手動送風器で空気を送り込み、カマの中で燃焼させて可燃ガスを発生させます。
ガスは分離器、冷却器、清浄器を通過し、本来であれば空気混合器に入りますが、今回はブロワーを使ってガスを引き、そこで点火させてガスの発生具合をみました。

途中何度もカマを開けて煙の色を観察。当時マキバスの運転助手をしていた監査役が「もっと黄色い煙のはずなんだが…」と首をかしげる場面も。
何度も送風器を回しパイプの出口に着火しますが、なかなか火がつきません。
テレビカメラが回る中、かたずをのむ参加者たち…

やっと火が燃え上がる

約20分後、ボッと火が燃え上がりました。「やったゾ」とわき起こる拍手、発生したガスは勢いよく火を上げます。
時間がたつごとにガスの純度が増して、炎がきれいな色に変わっていきます。
監査役も「この色だ」と助手時代のことを思い出したようでした。
マキの投入から1時間半後には、分離器と清浄器で排除された不純物の水と黒いススが、プラグを外すと流れ出てきました。こちらの具合もばっちりです。

火がついてひと安心。清浄器は改良を

第一次清浄器にはガスをきれいにするためのフィルターの役割をするコークスを入れ、第二次清浄器には今回グラスウールを入れました。
が、実際使用してみるとグラスウールは吸水性があってガスの通過が悪いことが分かり、次回には変更することに。
空知工場で生まれたこのガス発生炉は6月30日にトラックに積み込まれ、札幌工場に引き渡されました。


上の写真は、まき太郎に取り付けられているカマを撮影したもの。
ごうごうと燃やされる薪の火力に負けないよう頑丈につくられたカマと、その横にもとは農薬の散布機だったという手回しの送風器が取り付けられているのがわかります。
さらに、バスの中にはガスの分離器や清浄器、空気との混合器などなど…
これを普段の作業の合間に4か月ほどで完成させたというのだから、整備部の技術力と情熱がどれほどのものだったのか伝わってきます。

kato

ガスの具合も万全と分かったところで、次回はエンジンを始動。完成まではあと少しです!

※当記事の内容は、2024年3月27日時点の情報です。

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