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バス会社の秋の風物詩・タイヤ交換現場に潜入!

  • 2022年11月10日
  • 2023年3月28日
  • バス

近頃めっきりすっかり寒くなり、冬が近づいてきましたね。
とか言っている間に、北海道ではついに平地でも初雪が…。

冬はバスに限らず全ドライバーにとって試練の季節ですが、その前にやることと言えば…

そう、タイヤ交換です。

一般の方は普段なかなか見る機会のないバスのタイヤ交換作業、その現場の様子をご紹介したいと思います。

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さっそく営業所へ!

今回お邪魔したのは札幌北営業所
札幌と道内各地を結ぶ都市間高速バスを中心に、北区・東区の市内線なども運行しています。
乗務員は150名以上、バスも100台以上もつ大所帯。
それに対して、営業所構内は社内屈指の狭さを誇ります。

さっそくタイヤ交換作業をしている車庫へ向かいます。

高速車両が構内に所狭し(文字通り)と並んでいるのも、北営業所ならではの光景です。


車庫内には、大量のタイヤとホイールが。

バスのタイヤって、バス全体を見たときには何とも思わないのに、タイヤ単体で見るとめちゃくちゃ大きいんですよね…。
サイズ比較用に後輩のきょんさつ(身長165cm)を置いておきますので、参考までに。

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タイヤ交換作業をしているのは?

今回取材させていただいたのは、タイヤ作業班を率いる畑中乗務員副班長

タイヤ作業班に乗務員?そして副班長?どういうこと?…ってなりますよね。
一度に情報量が多すぎると思いますので、順番にご説明します。

まず、中央バスのタイヤ交換作業は、整備員はもちろん一部営業所では乗務員も行っています。

全乗務員の中から選抜された、乗務だけでなくタイヤ交換作業も担うメンバーがタイヤ作業班

さらに、全乗務員は営業所の中で8つの班に分かれていて、各班には班長副班長が存在します。

なので、「畑中乗務員副班長」は乗務員の副班長でもあり、さらにタイヤ作業班の親玉ということになります。なんだか強そう!

そんな中央バス内部の豆知識を紹介したところで、

Pe

畑中副班長、よろしくお願いします!

バスのタイヤ交換作業って?

それでは、タイヤ交換の様子を見学です。

①バスを持ち上げる

スイッチ一つでジャッキが作動し、バスが持ち上がります。

写真だと分かりづらいですが、よ~くご覧ください。
お気づきでしょうか、タイヤが地面から浮き上がっていることに…!

②夏タイヤを外す

こちらはバスから取り外された夏タイヤ。

わ~!ほとんど溝がない!

畑中副班長「これはもう使えません。」

で す よ ね !

こちらが新品(冬タイヤ)。
夏・冬の違いはありますが、使い古されたタイヤとの違いは一目瞭然です。

使えなくなったタイヤは、業者に引き取られていった後リサイクルされるそうです。
夏タイヤさん、お疲れ様でした。また逢う日まで。

③夏タイヤからホイールを外す

勝手に感傷に浸っている間に、畑中副班長は外した夏タイヤをタイヤチェンジャーという機械にセット。

ここからは特別に、動画でお届けします。

※音なしでも楽しめます

※BGM:OtoLogic様(https://otologic.jp/

Pe

くるくる回るタイヤにブラシを当てるだけで外れるなら、私もやってみたいです(舐めすぎ)

こうして夏タイヤからホイールが外れました。

④冬タイヤにホイールを嵌める

今度は冬タイヤにホイールを嵌める作業をします。

※動画:音なしでも楽しめます

※BGM:OtoLogic様(https://otologic.jp/

ヒィィィとんでもなく力仕事…。わかってたけども。

いくら機械があるといえど、肝心の調整は人による作業なので、長年の経験と技がものを言います。

⑤冬タイヤをバスに装着

冬タイヤにホイールを嵌めたら、バスに装着します。

インパクトレンチという工具を使ってナットを締めます。

バス1台あたり6本分(前方は左右1本ずつ、後方は左右2本ずつ)のタイヤ交換が終われば完了!

…と、簡単そうに書いてしまいましたが、実際に見ているとかなりの労力です。
これを100台以上も作業すると思うと…頭が下がります…。

副班長に質問タイム

Pe

今年もタイヤ交換の時期がやってきましたね!

畑中副班長
「毎年、冬タイヤ交換は10月初旬から1ヶ月程度かけて行います。
北営業所では都市間高速バスを走っているので、まずは峠を走る長距離高速車両、次にその他の高速車両、最後に市内線車両という順番で交換します。
夏タイヤ交換はゴールデンウィーク明けから、冬とは逆の順番で、市内線車両→高速車両→長距離高速車両の順で行います。」

取材に伺った10月中旬時点で、高速車両は全て交換が終わり、これから市内線車両というタイミングでした。
これで峠越えがあっても安心ですね!


Pe

バスのタイヤの寿命は?

畑中副班長
「高速バス路線がメインの北営業所では、高速車両のタイヤはワンシーズンで使い切り、翌年には新品のタイヤを使います。
一方、ここでは市内線の走行距離は少ないため、市内線車両のタイヤは2年もつ場合もあります。
市内線をメインに運行する営業所では、やはりワンシーズンで交換だと思います。」

なんと、ワンシーズンで使い切ってしまうとは…。
日々の走行距離が一般の乗用車とはまったく違うので、仕方ないですね。


Pe

タイヤ作業班は何名で作業しているんですか?

畑中副班長
「タイヤ作業班のメンバーは全員で10人です。
その中から1日あたり4人、それに整備員も加わり作業しています。」


Pe

乗務員との両立は大変では?

畑中副班長
「メンバーはそれぞれが進んで動いてくれますし、お互い協力し合って作業しているので、大変さは感じません。チームワーク抜群です!
大変な作業ではありますが、日々お客様に接している乗務員という立場だからこそ、このバスに乗車されるお客様のことを思い浮かべると、より一層力が入ります。」

たしかに、取材中もタイヤ作業班メンバーの雰囲気の良さが伝わってきました。
自らタイヤ交換したバスに乗って、お客様を安全に目的地へお送りする。車両の準備からサービスの提供まで一貫して携われることが、タイヤ作業班の醍醐味なのかもしれません。


Pe

作業中、気を付けていることは何ですか?

畑中副班長
「バスのタイヤは1本50kg程度、ホイールも含めると90~100kg近く(!)の重さがあります。
それだけに、作業中に怪我をすることがないよう、作業手順や安全確認には十分気を付けています。
また、適切な方法で確実なタイヤ交換作業を行うことは、お客様の安全にもつながります。
当たり前のことを怠らず、当たり前に行う。バスの運転と同様に、お客様の命を預かっているという意識を持って作業しています。」

バス乗務だけでなく作業も含めて、安全に対する真摯な想いが伝わってきます。
ありがとうございました!

おわりに

毎日当たり前のように走っているバスですが、当たり前に走らせるために、その裏側には多くの人たちの仕事と熱意が隠れています。
今回は、その一部を垣間見ることができました。

ちなみに

畑中副班長がこの夏うれしかったことは、自身がコーチを務めているミニバスケットボールのチームが全道大会に出場したことだそうです。おめでとうございます!

乗務員の制服姿もお似合いです。(というかこちらが本業でした)
これからも安全運転・さわやか親切なバス乗務をよろしくお願いします。頼りにしてます!

※当記事の内容は2022年11月10日現在の情報です。

これさえあれば、どこへでも。

今いる場所から近いバス停の場所も、目的地までのバス路線も、バスの現在地も、すべてがこれ一つでわかります。

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