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ニセコ町長ツアー後編

【バスツアー】大人気!町長がバスガイドツアー/ニセコ町・片山町長編【後編】

前回は札幌からニセコ町に伺い、片山町長に有島記念館などをご案内いただきました。そして町長のガイドはここからが本番!
後編ではニセコアンヌプリゴンドラやニセコ蒸溜所、ニセコ鉄道遺産群などを巡りまちの魅力を教えてくれるほか、町役場では政策や取り組みについても詳しく教えていただきます!

\前回の記事はこちら/

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アンヌプリゴンドラで楽しむ標高1,000mの眺望

ヌックアンヌプリにて真狩村産ハーブ豚のすき鍋御膳を堪能した一同。食事後はそばにあるニセコアンヌプリゴンドラへと移動です。
冬はスキーヤーやスノーボーダーを運搬するゴンドラですが、7月中旬~10月中旬には夏期運行をしており美しい緑や景色、秋には紅葉も楽しめます。

ゴンドラの運行距離はおよそ2.3km。10分ほどの空中散歩を楽しめば山頂駅に到着です。
「このゴンドラはもうニセコで一番古いゴンドラ。世界的な注目を浴びる前から運行しているわけで、ある意味文化遺産ものですね(笑)」と片山町長。

ゴンドラに揺られ山頂駅に到着…ですが、ここはまだ展望台ではありません。40段ほどの階段をのぼった先が見晴らしのいい1,000m台地です。
「歳だから足元が少し怖いけど、のぼってみるかしらねえ」という声も聞こえましたが、その先には頑張ったかいのある景色が広がっていました。

ふもとでは山頂付近が曇って見えたのですが、1,000m台地からは街並みがばっちり!
ベンチで涼んだりしながら眺望を堪能します。

ただ、晴れてはいるのですが少しガスがかかっており「雲ひとつ無いような日であれば、洞爺湖の中島や噴火湾、駒ヶ岳も見えるんですよ」と片山町長。
一緒に案内してくれたニセコアンヌプリゴンドラの工藤課長も「残念ながら羊蹄山が雲に隠れているので、今日は実質曇りの日です!」とピシャリ。

kato

工藤課長からは「私(kato)が来た日のニセコは晴れたためしがない」と耳の痛いお言葉も頂いてしまいました。
たしかに昨年の「ニセコ星空ピクニック」の取材以来、何度もニセコを訪れている中で晴れた日が無いのですが…

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ニセコの素材で造られる世界最高のジン!ニセコ蒸溜所

ニセコアンヌプリからの眺めを楽しんだあとは、ニセコ蒸溜所の見学です。
館内に入ると木の風情をいかした内装のなか、ウイスキーを蒸溜する釜が堂々と佇んでいました。

\ニセコ蒸溜所の記事はこちらから/

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ニセコ蒸溜所ではアンヌプリの伏流水を使ったウイスキーとジンを醸造しており、概要を林知己支配人がご案内。
「ウイスキーは熟成の最中で残念ながら飲めないのですが、『ohoro GIN(オホロ ジン)』はジンの国際コンクールで世界最高賞を獲得するなど、さまざまな賞で高い評価を頂いている自慢の逸品です。こちらは無料で試飲できますので、ぜひご賞味ください」。

ウイスキーを熟成している倉庫にも入れて頂いたところ、中は参加者が「匂いだけで酔っぱらっちゃった」と言うほど豊潤な香りがたち込める空間。
ホワイトオークの新樽やバーボンの樽など、個性の異なる樽に詰められたウイスキーが少しづつ味を深めながら出荷の日を待っていました。

kato

林支配人によると「しっかりと熟成させて、納得いく酒質になった段階での販売を考えています」とのこと。味わえる日が待ち遠しいですね!

館内では試飲のほか、各地の地酒や食器、工芸品も販売されておりショッピングも楽しめます。
ふだんビールしか飲まないという参加者は「ジンって初めて飲んだけど、ハーブの香りがして飲みやすいのね。飲んでからアルコールが47度もあるって見てびっくり!」とスムースな口当たりに驚いた様子でした。

帰り際にはバスの中まで見送りをしてくれた林支配人。すると片山町長が「彼は蒸溜所の支配人になる前はニセコ町の副町長で、一緒に仕事していたんです」なんて驚きのコメント。

kato

さらに「ずっとウイスキーが好きだったから、以前よりも笑顔が輝いていますね」と続けると、満面の笑みで応えていました。

JRニセコ駅すぐ横のニセコ鉄道遺産群へ

ニセコ町はかつて鉄道のまちだった、ということはご存じでしょうか?
明治~昭和初期までは農産物の輸送などを鉄道に頼り、まちも発展してきたのです。
JRニセコ駅の隣にあるニセコ鉄道遺産群ではそんなニセコ町と鉄道のかかわりを紹介するほか、サッポロビール園で保存されていた蒸気機関車「9643」など貴重な鉄道遺産が展示されています。

ここで案内してくれたのは有島記念館の学芸員を務め、根っからの鉄道マニアである伊藤さん。
「ニセコ町はもともと”狩太町”という名前だったのですが、駅名をニセコ駅にするために町の名前の方を変えたんですよ。ご存じでしたか?」と質問。
すると一同声をそろえて「片山町長さんがバスの中で教えてくれました!」。

kato

これには「町長~、言っちゃったんですかぁ!」と見せ場を失いがっくり。気をとりなおして説明を続けます。

車庫へと移動すると、2017年まで活躍した「ニセコエクスプレス」が展示保存。
そしてその下にあるのは、列車の向きを変えるために使われていた「転車台」で、こちらも新得町から移設された貴重な資料のひとつ。

ふだんは車庫で保存しているのですが、ツアーのため特別に転車台に載せてくれたのだそう!伊藤さん、ありがとうございました!

ニセコエクスプレスの車内にも入れて頂き、運転席まで見せていただきました。
残念ながら私は鉄道に疎いのですが、ファンには垂涎もの。
「クラウドファンディングで全国からの支援もあり、名前を冠したニセコでの保存が決まったんです」と伊藤さん。みんなの思いで”里帰り”し、これからも歴史を紡ぎ続けます。

ニセコ町の取り組みを体現する庁舎を見学

ニセコ鉄道遺産群の見学を終えた一行に片山町長がアナウンス。
「次に行くのはニセコ町役場です。2021年に竣工したのですが、防災の拠点や環境配慮、町民が活用できる庁舎などがコンセプトになっています。特にCO2削減のために断熱性能を高めており、冷暖房をあまり使わないで済む超省エネの”ゼロエネルギー庁舎”というのが特色です」。

庁舎内に入ると木の香りがふわりと漂い、温もりを感じる雰囲気。
使われているのは町の木でもあるシラカバで、オシャレな商業施設のようなつくりです。

会議室に通されると、ニセコ町建設課の黒瀧課長が庁舎のつくりを解説してくれました。
「ニセコ町は『SDGs未来都市』に選定されており、2050年には2015年比で86%のCO2排出削減を目標にしています。庁舎はその象徴として断熱性を高め省エネに努めているのはもちろん、暖房の燃料にも将来的には水素を導入する予定です」。

ほかにも、外壁には子供たちが採取した土のレンガを使っているなど、見て回るだけでは分からない部分をじっくり教えてくれます。

座学を終えて上の階にのぼると、大きくとられた窓の先に羊蹄山の威容がそびえます。
この部分はフリースペースで、学生の自習や仕事などにも活用できるそう。うーん、贅沢!
そして「超高断熱のトリプルガラスと木のサッシを導入しているので、大きな窓ですが外の暑さや寒さを防いでくれます」とのこと。デザイン性と機能性が両立されていますね!

3階にある議事会場は車座になって全員の顔を見ながら政策を検討できるのが特徴。
また、議会の無い日は町民ホールとして開放しており、イベントなどに使用できるのです!

kato

町長の話をじっくり聞こうと椅子に座った一行。すると「この木の椅子、とっても座り心地が良いのね!」と驚きの声が。

「この椅子と机は旭川の家具メーカー・カンディハウスさんのものです。机を収納できるデザインにするなど、色々と骨を折ってくれました」。

kato

ただし「議会の様子はYouTubeで公開しているので、あまりに座り心地がいいからと眠ったりはできませんよ」と笑います。

町長室で恒例の記念撮影!

そして町長室にも通していただき、町長席に座って恒例の記念撮影!
町長ツアーならではの光景ですが「町長室もいつでも大歓迎ですので、今度ニセコ町にいらした際はまたお立ち寄りください」とにっこり。

SDGsという言葉が定着する前から、環境に配慮し持続可能な社会を目指しているニセコ町。
「未来の世代のためはもちろんですが、昔は”環境ではメシが食えない”と言われることが何度もありました。だったら食える町にしてやろう、という思いを抱いたのも原動力のひとつです」と語ります。

「たとえば、ニセコを流れる尻別川は今でこそ清流日本一に選ばれていますが、大昔はゴミだらけの川でした。それがNPO法人のしりべつリバーネットなど流域住民で清掃を行うことでラフティングなどができる観光資源になり、水力発電で町の電力を補う存在にもなっています。SDGs未来都市にも選ばれ、小さな町でも皆が活躍すれば変えられることが示せたのではないでしょうか」。

このほかにも、雪崩とスキー場外での事故防止のために設けた「ニセコルール」や住民の意見をふんだんに取り入れた観光案内所「道の駅ビュープラザ」、開発から景観や水源池を守るための条例など、実施した取り組みは多岐にわたり列挙にいとまがないほど。

kato

先駆的なまちづくりを推し進めつつも「職員や町の人みんなが頑張っているから、実は私のようなトップの者は必要ないんですよ」と笑う片山町長。
この姿勢こそ相互扶助の精神をベースに、オープンに全員が参加する町政の現れなのかもしれません。

役場の見学を終え、名残り惜しいですが片山町長とはここでお別れ。
黒瀧課長や役場の職員の方々にも見送りいただき、参加者全員で手を振り感謝を伝えます。

kato

「リゾートとして世界的に有名なのも、優れた環境だけじゃなくそれを皆で守る取り組みがあってこそ、というのがよくわかった」と参加者も大満足。楽しいうえに、学びがとっても多い1日でした!

ニセコビュープラザで休憩&おみやげをセレクト

長いようであっという間だったニセコ町長ツアーも最後の目的地。
ニセコの特産品や新鮮な農産物を販売するほか、観光案内所やレストランを設ける道の駅ニセコビュープラザにて休憩&ショッピングタイム。
ここは片山町長いわく「町民の多様な意見を聞き入れ、町民にゆだねるやり方をすすめた最初の一歩といえる施設」なのだそう!

野菜直売所では近隣の農家や住民が育てた多彩な野菜を販売。
品定めをしていると店長の奥芝さんが「とりあえずトマト食べてみて!ウマいから!閉店も近いし割引しちゃうよ!」とどんどん勧めてくれます。

kato

価格も半額以下まで下げてくれる太っ腹ぶりで、カゴのなかは野菜でいっぱい!

観光案内も行う情報プラザ棟には乳製品やパン、お菓子にお酒など特産品がずらり。
ツアーの最初に味わった高橋牧場の飲むヨーグルトも販売されており「あのおいしいヨーグルト、売ってたわ!」と皆ついつい手に取っていました。

kato

まちの取り組みを学び背景を知ったあとだと、地元の特産品もよりおいしく頂けます。これも町長ツアーの醍醐味のひとつです。

ビュープラザでのショッピングも終え、あとはバスに揺られて札幌へ帰るだけ…
そんな最後の最後でもサプライズがありました。

「ツアーでたっぷり片山町長の器の大きさを知っていただいたと思うのですが、ニセコ町のお菓子や日本酒、さらにジンまでお土産にくださいました!」とアナウンス。
さすがに全員分はないため、ジャンケンで当選者を選出、車内は修学旅行のような雰囲気に。

kato

この日は東京から来たという参加者がいたのですが、なんとその方が見事勝利!お菓子の詰め合わせを選び、車内のみなさんに配っていました。作ったようなストーリーですが、本当です。


どのまちにも、観光だけではわからない取り組みや見どころがたくさんあります。
その数々を、まちの事を知り尽くした町長が熱い想いとともにガイドしてくれる「町長がバスガイドツアー」、ぜひご参加ください!

\最新の町長ツアーの情報はこちら/

※当記事の内容は2024年9月4日時点の情報です。

これさえあれば、どこへでも。

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