札幌〜小樽間を高速道路を走りつなぐ「高速おたる号」。
途中いくつかのバス停で乗降車できますが、高速道路上にもバス停がある!というのは乗ったことがある方は知っているはず。
逆に、高速バスに乗ったことが無い方は「高速道路で降りることってできるの!?」と驚くのでは?
そのひとつ、バス停「見晴(みはらし)」からは今がベストシーズンの銭函エリアに徒歩10分ほどで行けちゃえます。今回巡ったのは下記のルート。
距離は約2kmとそれほど長くないのですが、山のふもとからの眺望やすぐ目の前に広がる日本海など、山あり海あり緑ありな道中です。
オシャレなスポットや隠れた見どころがある銭函のまち。その魅力をお届けします。
バス停「見晴」で降りてみよう!
バス停「見晴」があるのは前述の通り高速道路・札樽自動車道の上。
SAなどでしか高速道路に立つ機会はないので、ちょっとドキドキするかもしれません。
高台にあり、札幌方面へのバス停からは名前通りに周囲を見渡すことができます。
今日の目的の銭函エリアもこの目線の先。こう見ると遠く感じますが、ゆっくり歩いても15分ほどです。
一般道とは階段で繋がっており、札幌から来た場合ここを降りると左手側は鬱蒼とした森。
そして右手側にあるトンネルを通り抜けて銭函方面へ。
300mほど続く坂道を下ると国道5号線に突き当たり、標識を見ると「銭函」の文字が。
道路を挟んだこの一帯が目的の銭函エリアです!
ここからもう少し歩き、中心エリアを散策してみます!
銭函を照らす個性がいっぱい!「ゼニバコテラス」
銭函駅前を目指して歩いていくと、国道5号線に面して「ゼニバコテラス」があります。
こちらはログハウスメーカー・トベックスが運営する風変わりな商業スペース。
個性豊かな6店舗が軒を連ねており、その内容はさまざま!
カフェにスイーツショップ、珍しいヴィーガンクレープのお店に絶品野菜寿司をつくる商店など、どのお店もこだわりが光ります。
夏期限定で、石狩市などで活躍するボランティア犬・ラッキーのおみせ「ラッキーのうた」もオープン。今年は8月末まで、愛らしいラッキーが笑顔で出迎えてくれます。
敷地内には無料のドッグランがあるので、車で小樽や札幌に行く途中にわんことフラリと立ち寄るという利用もアリですよ。
すべての店舗を覗かせて頂いたのですが、魅力的なお店ばかりでびっくり。こちらは改めてご紹介いたします!
施設概要
名前 | ゼニバコテラス |
住所 | 小樽市銭函2丁目30-8 |
電話番号・営業時間・休み | 店舗によって異なる |
HP | https://zenibako-terrace.com/ https://www.instagram.com/zenibako_terrace/ |
何気なくて、特別なパン「カトルフィーユ アトリエ ゼニバコ」
ゼニバコテラスから約500mほどの場所にある人気ベーカリーが「カトルフィーユ アトリエ ゼニバコ」です。
店名の「カトルフィーユ」とはフランス語で四つ葉のクローバーのこと。
「四つ葉を見つけた時のような小さな幸せを感じて貰えればと、この名前にしました」と語るのは店長の長谷川ぱんださん。
名前の通り店頭にも店内にもパンダの人形やグッズがずらり。
「よほどパンダがお好きなんですね」と伺うと「パンダも当然好きなんですが、それ以上に”パンが大好き”だから、略してぱんだと名乗っているんです」と朗らかに笑います。
店内に並ぶパンは40~50種類。ハード、ソフト、デニッシュ系などタイプもさまざまです。
なかでも一番こだわるのが4種類あるバゲット(フランスパン)。
フランス産小麦と十勝産の全粒粉、そして古代種のスペルト小麦を使いわけ、香りや甘み、食感などが異なるバゲットを作ります。
「毎日でも食べられるような、何気ないおいしさのパンがテーマです」とぱんださん。
「きほんのバゲット」330円を食べたのですが、一口、また一口とあとを引くおいしさ。
ずっと食べられるような、特別じゃないおいしさのパン。そんな味が一番特別で難しいのかもしれません。
施設概要
名前 | カトルフィーユ アトリエ ゼニバコ |
住所 | 小樽市銭函2丁目4-6 |
電話番号 | 0134-64-5878 |
営業時間 | 10:00~18:00(売り切れ次第終了) |
休み | 月・火曜 |
HP | https://qf.dearest.net/ https://www.instagram.com/qfzenibako/ |
「豊足神社」には日露戦争時の機雷がある!?
カトルフィーユを出て海岸方面へ向かうとJR函館本線の信号があります。
その左手側の坂道に目を向けると、白い鳥居が印象的な「豊足(とよたり)神社」が鎮座していました。
豊受姫大神(とようけひめのおおかみ)、藤原三吉命(ふじわらのみよしのみこと)、大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)の三柱を祀っており、漁場の鎮護・大漁・安全を祈願して建てられたのが始まりだそう。
境内には戦争犠牲者の忠魂碑があるのですが、足元になにやら壊れた鈴のようなカタマリが。
なんとこれは日露戦争時の機雷(水中爆弾)!
明治期に近辺の浜辺に漂流したものを爆破処理し、忠魂碑とともに保存しているのだそう。
意外な保存物にびっくり!
こういった意図しないモノとの出会いもまち歩きの醍醐味です。
施設概要
名前 | 豊足神社 |
住所 | 小樽市銭函2丁目9-10 |
道外からの常連客も!「KAMOME」のふわサクかき氷
銭函には知る人ぞ知る、夏期の約2か月間だけ営業するかき氷店「KAMOME」があります。
暑~い夏に海辺で食べるかき氷…美味しくないワケがありません!
KAMOMEは銭函エリアで11年営業しており、現在の店舗は2024年に移転したばかり。
店内では銭函で製造されているお菓子や古本なども販売しています。
平日の取材にもかかわらず、店内は周辺に住む方や常連さんで大賑わい!
その人気の秘密は自家製のシロップとともに、ふわサク食感の氷にあります。
「きめ細かくもサクっとした食感を出すため、その日の気温に合わせて氷をほどよく外気に触れさせておくのがポイントです」と店長の小牧さん。
この日東京から来たというご家族は「もう7~8年、北海道に来るたび通ってます。ここのかき氷を食べなきゃ帰れない」とにっこり。
ただのかき氷と侮るなかれ。サクッとした氷が清涼感のあるシロップとともに口の中で溶け、えも言われぬ爽やかさ。
取材時には”おかわり”して食べ比べをしている方もいたほどです!
\KAMOMEのさらなる詳細は下記の記事にて!/
全国的に恐ろしい暑さが続く昨今、どのようにお過ごしでしょうか。北海道もここ数年、30度を超える真夏日が当たり前になって今にも溶けてしまいそう… kato 私は寒さに強く暑さにはてきめんに弱い道産子なので、この気温にまった[…]
施設概要
名前 | KAMOME |
住所 | 小樽市銭函2丁目36-6 |
電話番号 | 090-1645-2074 |
営業時間 | 12:00~17:30 |
休み | 月・火曜(祝日の場合は営業) ※2024年は~8月末まで営業を予定 |
HP | https://kamome-zenibako.studio.site/ https://www.instagram.com/zenibako.kamome/ |
「しろくまコーヒー」で海を眺めてゆったりタイム
JR銭函駅のすぐ真向いにある人気店が「しろくまコーヒー」。
深煎りしたスペシャリティーコーヒーを、海を眺めながら堪能できるシーサイドカフェです。
店内は1・2階席があり、好みで席を選べます。
ゆったり過ごすのが目的なら、テーブルが中心の2階席がいいかもしれません。
しかし、何といってもおすすめなのはテラス席!
潮風を感じながら、すぐ目の前に広がる大海原が楽しめるのです。
私もテラス席に座り、ジューシーな「パリドッグ」850円と濃厚な「しろくまラテ」600円を注文。
刻々と変わる景色を眺めながら味わうと、おいしさがより一層深まります。
まさに銭函!と言えるような景観もごちそうのひとつ。
特に日没時には、水平線のかなたに沈んでゆく夕陽が眺められますよ!
施設概要
名前 | しろくまコーヒー(shirokuma coffee®︎) |
住所 | 小樽市銭函2丁目1-7 |
電話番号 | 0134-64-9589 |
営業時間 | 10:00~20:00(7・8月、冬期などは変動あり) |
休み | 無休 |
HP | https://www.shirokumacoffee.com/ https://www.instagram.com/shirokumacoffee/ |
帰りは坂道をのぼって&JRもあります
銭函からバスを利用する場合、帰り道が少しわかりづらいかも。
帰りは国道5号線沿いに歩き、山側にある「太田整形外科医院」と「アルファ調剤薬局」の間の坂道をのぼっていきます。
来た道を戻るだけなのですが、Y字路になっているため一瞬迷います。
しばらく歩いて振り向くと、先ほど歩いたまちが広がっていました。
300mほど坂道をのぼると高速道路につき当たります。
高架には札幌・小樽方面へのバス停の入り方が描かれた看板がありますので、こちらをご参考に。
行きと同様、高速道路への連絡路をくぐって見晴のバス停へ。
札幌・小樽ゆきどちらも便数が多いため、それほど待たずにバスがやってきます。
なお、しろくまコーヒーのすぐ向かいにはJR銭函駅があるので、鉄路で来訪&帰宅する選択肢もあります。
とはいえ、海と山、そして緑を歩きながら楽しめるのはバスを利用するルート。
なにより高速道路でバスに乗降するという、ちょっとした冒険が待っていますよ!
※当記事の内容は、2024年7月31日現在の情報です。