
古くからガラス製品が造られ、現在も「ガラスのまち」として有名な小樽。
そんな小樽のガラスが世に知られる礎をつくったのが「ザ・グラス・スタジオ イン オタル」です。
代表の浅原千代治さんが造る作品は国内外で高い評価を得ており、日本を代表するガラス作家のひとりに数えられています。
また、館内では職人が造った色とりどりの器やオブジェを多数販売するほか、要予約でガラス吹き体験も行えます!

そんなショップ&工房を構えるのは、小樽のまちを見下ろす天狗山のふもと! 天狗山に行く際は、こちらにもぜひ!訪れてみて♪
\定期観光バス・小樽コースでも立ち寄れます!/
北海道中央バス・定期観光バスの「日本遺産のまち小樽まるごと満喫コース」は、2025年に日本遺産に認定された小樽のまちを満喫できる名前通りのコース!小樽天狗山からの眺望や銀行建築、おたる水族館に定番の小樽運河など、日本遺産の構成[…]
1979年創業、小樽のガラス工房の先駆け


「ザ・グラス・スタジオ イン オタル」が創業したのは1979(昭和54)年のこと。
それまで小樽では、漁具に使う浮き球や生活雑器の需要がありガラス製品の製造が盛んでしたが、量産品が主で個人の工房による作品はなかったといいます。

そんな中、大阪でガラス職人の家に育ち、吹きガラス作家として小樽の自然や気候、歴史に惹かれ移住を決めた浅原さん。
全国でも初めて工房を開放して作業風景を見られるようにする、製作体験を行うといった試みと、実用性・鑑賞性の両方を兼ね揃えた作品を生み出すことで、小樽が「ガラスのまち」と称される礎を築きました。


現在も工房には4人の職人がおり、食器やグラス、花器や動物を象ったオブジェなど、色とりどりの作品を日々製作し、販売しています。

1階に工房を、2階にショップを設けており、製作風景を上から眺めることも。
棚に並ぶアイテムのひとつひとつを職人さんたちが造っていると、改めて実感できます!

今回は吹きガラス体験を行い、この工房にも入らせていただきました!
次からは体験の様子をレポートします♪
吹きガラス体験で自分好みのガラス製品を

吹きガラス体験は1作品3,960円から行うことができ、事前予約制。
所要時間は20分ほどで、10:00~11:30、12:20~13:30、15:00~16:30の時間帯に体験できます。


アイテムはグラスと器、華挿しから選択でき、さらにカラーや模様も選べます。
説明を受け、相談しながら自分好みのデザインを決めましょう!

デザインが決まったら、いざ工房へ。ガラス吹きや飲み口づくり以外の工程はすべて職人さんが行ってくれるので、子どもでも体験できます!

まずは1250度に熱され、真っ赤にガラスが溶けた”るつぼ”に吹き竿を差し入れ、ガラスを巻き取ります。
そして選んだ色のガラスを付けると早速吹く工程に。


吹き竿は1m以上の長さがあるため、少し力をこめてゆっくりと吹くのがポイント。
職人さんの手を借りてくるくると回しながら息を吹き込むと、小さくぷくりと膨れ上がりました。


形を整えてもらい、再び息を吹き入れると今度は簡単に大きく膨らみます。
ここまで来ればほぼ完成で、くびれをつくる工程などを行ってもらい、最後に飲み口づくりです!


木のコテをやさしく押し当てて、自分の使いやすい形になるよう飲み口を広げます。
できあがったら竿からガラスを切り離し、職人さんが底を整えて完成です!

この後は一晩かけてゆっくりと冷ますため、当日の受け取りはできません。
受け取りは翌日以降の配送(別途料金)、または現地での直接受け取りが選べます。

そしてできあがったのがこちらのグラス!
底面の泡模様にうっすらとエメラルドグリーンが溶け込み、とっても爽やかな印象♪

自分で吹いて造るガラスの器、小樽の思い出にぴったりですよ!
「浅原千代治展」が市立小樽美術館で7/5~9/15開催


2025年の7/5~9/15には、浅原さんの特別展を「市立小樽美術館」にて開催。
源氏物語に影響を受けたシリーズ作品と、小樽の自然に影響を受けた作品、その両方44点を展示しています。


若いころから源氏物語に惹かれ「源氏物語は現代語に訳した人によって解釈や味わいが異なる。それなら浅原風の源氏物語を、ガラスで表現してもいいのでは」と、40年以上にわたってシリーズを造り続ける浅原さん。

源氏物語の登場人物を表現した作品や、源氏物語そのものを表現した作品などさまざまで「作品が何を描いているか、自分には何に見えるか。そして私が何を表現したかを想像してもらえれば」と語ります。

そして自然をイメージした作品では白樺林や雪原、森などを主題にしています。
なかでもガラスによって風を形にした『ひとつの風』と『ふたつの風』という作品は、浅原さん自身と小樽を見立てたもの。

「ひとつの風は大阪から小樽へやってきた自分のイメージ。ふたつの風では小樽の人びととの関りや風土をイメージしています。そして両方に球がついていますが、これが自分自身の表現。そんなテーマを持ってひとつひとつの作品を造っています。ぜひじっくりと鑑賞してみてください」。


ガラスを真っ赤に溶かす炎と、それ以上の情熱でもって作品に命を吹き込む。
繊細な造形ときらびやかな装飾。優美さとともに時には豪快さも感じさせる浅原さんの作品を、ぜひご堪能あれ。
施設概要
名前 | ザ・グラス・スタジオ イン オタル |
住所 | 小樽市最上2丁目16-16 |
電話 | 0134-33-9390 |
料金 | 入館無料、吹きガラス体験は1作品3,960円~ ※展覧会は一般700円、高校生350円、中学生以下無料 |
予約 | 吹きガラス体験は要事前予約(スケジュールが空いている場合のみ当日も体験可) |
時間 | 10:00~18:00(11月~3月は10:00~17:00) |
休み | 火曜 ※展覧会は月曜 |
HP | https://glassstudio-otaru.com/ |
バス停 | 「天狗山ロープウエイ」下車すぐ |
行き方 | 【小樽駅から】「小樽駅前」から9 天狗山ロープウエイゆき(のりば④) ※バス停名からのりば地図が見られます |
※当記事の内容は、2025年9月1日現在の情報です。