
1869(明治2)年に開拓使が置かれ、「蝦夷地」から名を改めた北海道。
そのなかで、日本海に面した寿都町の開基は意外なほど古く、350年以上の歴史をもちます。
さらに、1~2万年前の縄文時代の土器やアイヌの人びとの遺跡が発掘されるなど、豊かな環境をいかして古来から営みが行われてきた場所でもあります。
そんな寿都町へと札幌から行く日帰りバスツアーを、北海道中央バス・シィービーツアーズカンパニーで特別企画として開催中!

第2弾である「旧寿都鉄道と寺町通り文化・座禅と精進料理の体験ツアー」に乗車・取材してきたのでその様子をレポートします!
次回は9月開催予定の寿都町ツアー、ぜひご乗車あれ!
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出発は「中央バス札幌ターミナル」から


札幌から直線距離で約100km離れた場所にある寿都町。
たどり着くまでは高速道路を通り抜け、山を越え森を越え、日本海沿いに南へ車を走らせて、と約2時間半の道のり。

けれども、バスツアーならプロのドライバーに運転を任せ、往復280kmという距離を快適に過ごせます!
「きのこ王国 仁木店」で休憩、おみやげもずらり!


バスが出発しておよそ1時間、最初の休憩&立ち寄り場所は「きのこ王国 仁木店」。
その名前の通り、キノコを使ったおみやげや食事メニューが人気です。

店内に並ぶのはキノコの加工品やお菓子、仁木町の果物など1,000種類以上の品ぞろえ!
15分ほどの立ち寄りでしたが、ご飯のお供にばっちりなキノコの瓶詰めをGET!
寿都町で地元ガイドと合流!

仁木町を出発して1時間ほど、寿都町に近づいてくると、白い風車が参加者を出迎えるように立ち並びます。

山側から海へと向かって吹く「だし風」を風力発電に活用する寿都町。ずらりと並ぶ風車はまちのシンボルにもなっています。

寿都町に入ったところで、旧寿都鉄道で職員を務めていた佐藤さん(左)と、寿都町で電気店を営みケーブルテレビの放送も行う田中さん(右)が搭乗。
長年まちに住む2人のガイドで、バスの車窓から寿都鉄道の廃線跡をたどっていきます。

寿都鉄道は1920(大正9)年に開通し、1972(昭和47)年の廃業までまちの人びとや、ニシンや石炭といった資材を運んだ私鉄。
現在は、今回のガイドの田中さんなど地元有志が復元した駅の看板などに名残りを見せます。

16.5kmにわたり引かれた寿都鉄道で、目に見える形でその跡を残すのが上記記念写真の鉄橋。
こちらはバスを降りて目の前で観賞します。

現在は農地の中にあり、枕木も残る鉄橋は水道管を支えるための土台として活用されていました。


そこから、現在は寿都町役場となっている寿都駅跡までバスを走らせたのですが、「この今走っている道路がもともと寿都鉄道の跡なんです」と佐藤さん。
人の力で土を掘り岩を削り整えた鉄路の跡は、目に見える形ではなくとも、今もまちの交通を支えています。
寿都町文化財展示室でまちの長~い歴史を学ぶ


次に伺ったのは、寿都町総合文化センターに設けられた「寿都町文化財展示室」。
1669年に開基、さらには1~2万年前の石器類が出土する寿都町の歴史を資料とともに展示します。


館内では学芸員の佐藤さんが資料や歴史を解説。
北前船の寄港地であり、ニシン漁場として大いに栄えた寿都町。「最盛期には1人800匹以上のニシンをさばいても追いつかず腐るほどだったそうで、どれだけ獲れたのか想像もつきません」と佐藤さん。


しかし、そんなニシンも1927(昭和2)年ごろにはほとんど獲れなくなったそう。
ニシン漁に使われていた数々の道具が寿都鉄道の資料とともに並べられ、往時の寿都町の繁栄を物語っていました。
「曹洞宗 龍洞院」で精進料理ランチと坐禅体験

歴史を学んだあとは、5つの寺院が建ち並ぶ「寺町通り」のエリアへ。
寿都町には14つもの寺院と9つの神社があり、漁の安全や望郷の念などさまざまな思いをたくして建てられました。
そのなかの「曹洞宗 龍洞院」では坐禅や精進料理、宿坊などさまざまな体験を行っています。

「精進料理」と聞くとなんだか物足りないイメージですが、提供されるとびっくり!
寿都名産の天然岩海苔「どんじゃ海苔」を使った郷土料理・海苔だんだんや自家製のゴマ豆腐、ホウレンソウとニンジンの白和え、カブのあんかけ煮など、彩り豊かでボリュームもたっぷりです!

朱色が美しい漆塗りの器について尋ねると、鰊御殿で使われていたというもの。
夏野菜に負けない鮮やかさで、料理のおいしさを引き立てます。


ひとつひとつの料理が滋味深く、「久々に体にいいものを食べた」と声に出てしまうほど癒される食事内容でした♪

「皆さんが札幌から来てくれるのが楽しみで、朝5時に起きて作ったんです」と野上こうこさん。
参加者から「この料理はどう作るの?」「優しい味なのにお腹にたまって大満足!」と質問や感想が飛び交い、ほがらかな笑顔で答える姿が印象的でした。

お腹がふくれた後は、少し時間をおいて坐禅体験です。
「姿勢を整える、呼吸を整える、そして心を整えることがまず基本です」と野上良元住職。


さらに、坐禅堂への入り方や手の組み方、礼拝の仕方などにも決まりがあると教えてくれます。
そして警策(きょうさく)を持ち「やはり坐禅といえばこの棒なので、本当に軽く、皆さんの肩を叩かせていただきます」と野上住職。気持ちがピリリと引き締まります。

荘厳な雰囲気の本堂で、思い思いに姿勢と呼吸、そして心を整えて座ります。
およそ20分座ったところで、野上住職が鐘を鳴らし坐禅が終了。

「20分ほどの坐禅でしたが、短く感じましたか?長く感じましたか?」と野上住職。
「感じかたは人それぞれですが、仕事でもスポーツでも、何かに真剣になって時間を感じない時があると思います。それが無になるということであり、仏の境地です」と坐禅のあり方を教えてくれます。

そして「札幌から見知らぬ方々が集まって、寿都で座禅をするなんてまさにご縁です。そういった日々のあり方を大事にしていただければ」とご住職。バスで隣に座るのすら、他生の縁なのかもしれません。
武蔵野坊弁慶の像が建つ「弁慶岬」へ

日本海の雄大な水平線が広がる「弁慶岬」。
そこには名前の通り、武蔵坊弁慶の像が海を背景に堂々と建っています。


奥州(岩手)を逃れた源義経と弁慶がこの地を訪れたという伝説に由来しており、その大きさは台座も合わせると約5m!

そして、弁慶像から少し歩いた場所は2025年3月に放送されたNHKドラマ「まぐだら屋のマリア」の舞台にもなっています。
冬になると荒涼とした海と雪が吹き荒れるこの場所が、ドラマの舞台である架空の町「尽果(つきはて)」のイメージにピッタリだったのだそう。

ここでロケで使用された「まぐだら屋」の看板とともに記念撮影!…ですが、周りは海と茂みしかないため、何の写真かわからないというひとコマに。荒涼としすぎているのも考え物です。
「道の駅 みなとま~れ寿都」で買い物をして札幌へ

長いようで短かった今回の寿都ツアーも、最後の立ち寄りスポット。
「道の駅 みなとま~れ寿都」は、寿都漁港に隣接したおしゃれな道の駅。

テラスからは漁港が見渡すことができ、寿都町の観光情報や歴史情報なども豊富。


売店コーナーでは名産品である「生炊きしらす佃煮」やホッケなどの加工品、お酒などがそろうので、ここで寿都ならではのおみやげをGETして帰路につきます!

私は釣りが好きなため、寿都町に抱くのは「海産資源の豊かなまち」というイメージでしたが、今回のツアーでさまざまな歴史を持つということを改めて知ることができました。
そして、そんな豊かな学びや地元の方との交流があるのも当バスツアーの魅力です!
さいごに…次回の寿都町ツアーは9月開催!

古くからの歴史が続く寿都町。今回のツアーで触れられたのは、そのほんの一部です。
第3回の寿都町ツアーは9月に開催し、江戸時代からのニシン漁の歴史を中心に巡って深掘りします!
ツアー内容が発表されましたらご案内いたしますので、どうぞご期待ください!
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※当記事の内容は2025年7月31日時点の情報です。