【中央バス】安全・安心がバスの使命。運転や接客スキルの確認と向上をめざす「乗務員コンテスト」を開催!
通勤に通学、買い物や観光など、バスは日々の生活を支える、地域と結びついた交通手段。
定時での運行や快適な乗り心地など課題は多岐にわたりますが、多くの方を乗せて走る以上「安全・安心な輸送」が一番の使命となります。
その安全と安心を守るため、北海道中央バスが実施しているのが乗務員コンテスト!
今回はコンテストの様子を初公開し、日頃乗務員が心がける運転への取り組みをお伝えします。
運転技術やお客さまへの応対スキルを競い、さらなる向上をめざす熱意。
実はバスって、そんなひたむきな姿勢に支えられているんです。
中央バス自動車学校を舞台に点検や接遇、運転技術を競います
乗務員コンテストの会場となったのは、新琴似にある「中央バス自動車学校」。
前日まで悪天候だったのですが、当日はコンテストにふさわしいすっきりとした快晴に!
青空の下、各営業所を代表する乗務員が日常点検、接遇、運転操作の3つの部門で技術を競います。
コロナ禍をはさんだこともあり、5年ぶりの開催となった今回のコンテスト。
最優秀賞をめざして乗務員一同決意をたぎらせます!
開会式では二階堂社長があいさつとともに、感謝と激励のことばを伝えます。
「まずはコロナ禍もあり社会環境が変わる中、乗務に尽くしていただき改めて感謝を申し上げます。輸送サービスの中でもバスは人命の尊重が最優先。そして”バスは安全な乗り物である”という前提のもと、利用していただいています。このコンテストはお客様への安全・安心なバス運行の提供を確認する場でもあります。皆さんの普段の取り組みをしっかり発揮してください」。
このことばに乗務員も係員も気をピリリと引き締め、コンテストはスタートです!
競技種目①:日常点検
安全・安心なバス運行をするにあたって、その前提となるのが日々の点検。
普段の運行開始前も、エンジンルームの様子やタイヤの空気圧、ブレーキの踏み具合などさまざまな部分を確認しています。
競技では適切な点検を行っているかと、10分以内に実施できるかを確認。
また、課題としてタイヤのナットをゆるめる、ブレーキオイルを減らすなど4つの不具合箇所を設定し、発見できたかを評価します。
オイル漏れがないか目と鼻で確認したり、ハンマーでタイヤのナットを叩き音と感触でゆるみの有無を点検するなど、五感を使い素早く、かつ確実にチェックしていく様子は職人のよう。
さらに座席の汚れやチャイムが鳴るかといった確認も行うのがバスならではのポイントです。
およそ40箇所にもわたるチェックを10分以内に終えた後は、不具合箇所を報告です。
競技を終えた乗務員にお話をうかがうと「いやあ、緊張しました」とほっとひと息。
そして「運行開始前に必ず行っている作業ですが、試験だと思うと固まったり、一瞬頭が真っ白になってしまいました。もっと精進が必要ですね」と決意を新たにした様子でした。
乗務員の業務といえば、運転のイメージが大きいと思います。
でも、こうした点検も絶対に欠かせない仕事なのです。
競技種目②:接遇
接遇(接客)の課題では車いすを使用する方の乗車と、料金を過払いした方への対応をテスト。
まず、車いすの方には乗降口の下にあるスロープを引き出し乗車を手伝うのと、その準備で停車時間が長くなることを車内にアナウンスします。
乗車後は車いす用スペースにて固定器具やシートベルトを装着。
この時に丁寧な声かけを行っているか、どのバス停で降車するかを確認しているかなどもチェックします。
過払いではお釣りが出ると思い、210円の区間で300円を投入してしまったケースを想定。
90円分のバスチケットを発行して返金のかわりに対応をします。
ちなみに、このバスチケットは次回バスを利用する際に現金のかわりに利用できるほか、各営業所では現金での払い戻しもできます。
誤って多くお金を投入してしまうケースはよくあるので、乗車する側としても覚えておいていいかもしれません。
競技種目③:運転操作
この日最大の課題が運転操作の競技。中央バス自動車学校のコースがその舞台です。
操作のテーマは①スイッチバックでの方向転換、②鋭角でのカーブ、③スラローム走行、④一定距離内での停車、⑤停止距離測定の5つ。
それぞれの課題で制限時間を設定し、時間内に正確に達成できるかをテストします。
スイッチバックや停車、停止距離についてはお手の物で、まさにプロの技です。
パイロン間のスラローム走行でも、大きな車体を手足のように操る様はさすがのひと言。
ミラーでパイロンを確認し、切り返しを活用して接触しないよう慎重に進みます。
パイロンの間隔は非常に狭くかなりの難易度だったのですが、切り返しをせず走破した方も一名だけいたそう。
職員や乗務員も「あれをストレートに通るのはすごい技量だ」と舌を巻いていました。
そんなスラローム以上の難度をほこった課題が鋭角でのカーブ。
乗用車でも脱輪しそうな角度をバスで曲がるのは、熟練の乗務員でも至難の技!
道幅ギリギリまでタイヤを寄せ、バックをして切り返し、車体の角度を慎重に調整。
じりじりとタイヤのきしむ音が響き、脱輪をチェックする係員もかたずを飲んで見守ります。
見事に曲がりきると「おー、すごい!」と感嘆の声があがります。
バスのタイヤは運転席よりずっと後ろにあり、その位置と特性を把握していないとできない芸当です!
この鋭角のカーブを達成できた方はほとんどいなかったそう。
「普段乗っている営業所の車体なら、クリアできたと思うんですが…」と悔しさをにじませる姿が印象的でした。
競技を終えて…表彰式で健闘をたたえます!
競技をすべて終えた後は表彰式です。
最優秀賞1名と優秀賞2名、そして3つの各部門でトップだった3名には特別賞を授与。
この日集まった職員、乗務員全員から盛大な拍手で称えられました。
また、惜しくも受賞を逃した乗務員には奨励賞を進呈。
二階堂社長が一人ひとりにねぎらいの言葉をかけました。
安全と安心、口にするだけであれば、とても簡単なことです。
しかし実際にそれを行い、毎日真面目にこなすというのは、実はとても大変。
乗務員一人ひとりが安全と安心を胸に、お客様一人ひとりと向き合う。
そんな姿勢を再確認し、今日も明日も、北海道中央バスは走ります。
※当記事の内容は2024年10月○日時点の情報です。